刊行物

JCAが発足して1年半 (にじ 2019 秋号 No.669 オピニオン)

JCAが発足して1年半

馬場 利彦 Baba Toshihiko 日本協同組合連携機構 代表理事専務
協同組合研究誌 にじ 2019 秋号 No.669

 日本の協同組合が、JJC(日本協同組合連絡協議会)の協同組合間連携や国際協同組合運動を引き継ぎ、JAグループの調査研究機能を担ってきたJC総研を改組して組織した日本協同組合連携機構(JCA)が誕生して1年半が経過した。

 令和の時代を迎え、まずは、私が勝又博三・前代表理事専務の後任を務めることとなったことを、本誌を借りてご挨拶させていただきたい。

 JCAが発足して1年半、本年度からはその真価が問われると覚悟して、当機構スタッフとともに会員団体の皆様の負託に応えて参りたい。

 JCAの使命は、「持続可能な地域のよりよいくらし・仕事づくり」に向けた協同組合間の連携の推進・支援・広報、教育・調査研究にある。いわば、協同組合第5原則(教育・研修・広報)と、第6原則(協同組合間の協同)を通じて、第7原則(持続可能な地域社会への係わり)を広げることである。

 とりわけ地域のさまざまな課題への対応としての協同組合間の連携は、県域連携組織のご尽力とJCAでの先進事例の共有化・出向く推進の取り組み等もあって、着実に前進してきている。

 またこの間、多くの生協県連の新規加入をはじめ、中央労福協、信用金庫・信用組合の全国協会に加入いただき、さらに事業協同組合の全国中小企業団体中央会も加入していただいて、ほぼすべての協同組合組織がJCAの仲間になることになる。幅広い連携の力を活かして、SDGs の取り組み、政策提言・広報の推進などに努めて参りたい。

 わが国の協同組合は、農協、漁協、森林組合、生協、信組や事業協同組合、労協など分野は多岐にわたるが、地域の組合員の仕事・くらしにかかわる課題を協同(事業・活動)で解決する同じ「協同組合」である。そして、一つの協同組合ではなしえないことが異なる協同組合が連携することで、協同組合の価値と地域で果たす可能性、役割を広げるとともに、国民理解に向けて「協同組合」を広く発信できると確信している。

 協同組合間の連携による持続可能な地域づくりに向けた課題解決のヒントは、それこそ現場にあると思うので、是非とも皆様方のご指導・ご教示をお願い申し上げます。