刊行物

協同組合間連携で新たな価値を生み出す (にじ 2020 冬号 No.674 オピニオン)

協同組合間連携で新たな価値を生み出す

比嘉 政浩 Higa Masahiro
日本協同組合連携機構 代表理事専務

協同組合研究誌 にじ 2020 冬号 No.674

 本年8月の当機構理事会において専務に選任いただきました比嘉政浩です。馬場利彦前専務同様よろしくお願いいたします。
 私は国際協同組合年(IYC)の際、IYC全国実行委員会の事務局長を務めました。課題や限界も感じた一方で異種の協同組合が連携を進めれば新たな価値を生み出せる、組合員や社会全体により貢献できると確信しました。その後、法人として当機構の前身である旧 JC総研で勤務しました。JC総研は JAグループが中心になり設立した研究機関でしたが、Cは co-operative、協同組合全体の研究機関でありたいとの思いが込められていました。JC総研のさらに前身の組織の一つが旧協同組合経営研究所でしたが、同研究所に生協、漁協、森組等が参画されており、その伝統を引き継いでいました。本誌「にじ」は同研究所時代に発刊開始されています。
 その後、私は出身組織である JA全中の専務理事を務めました。この間、常設の協同組合横断組織、協同組合間連携を進めるための組織ができないものか、と思案するようになりました。他の協同組合にも同様の強い思いをお持ちの方が多数おられ、議論を重ね、2018年、旧JJC(日本協同組合連絡協議会)やIYC記念全国協議会(同実行委員会の後継組織)の活動や理念を引き継ぎ、JC総研を改組し、当機構が発足いたしました。関係者の方々に感謝しています。
 もちろん当機構の発足が目標ではありません。「価値が生み出せる」「貢献できる」と感じたことを実現すること。これが目標です。課題設定が正しいから自然にうまくいくというほど甘いものでもありません。使命と経済性の両立は協同組合にとって永遠のテーマであり、当機構にとっても同様です。
 IYC全国実行委員会では、体制が限られていたため、事務局機能を多くの協同組合全国機関でテーマごとに分担しました。現実的要請があってのことでしたが、協同組合らしい組織運営だ、とも感じていました。こうした組織運営は難しいのですが、当機構が発足したからと言って請負事務局になってはならず、良き伝統を引き継ぎたい。一緒に仕事しないと相互理解は進みません。また、一致できるところで連携する、という原則も大事にしたい。各協同組合グループが掲げている具体的な目標は異なります。ですから意見が一致しない部分は必ずあります。では異種協同組合間の連携は不可能か。そんなことはありません。一致できる理念・具体策は必ずあります。これまで多くの方々と接点がありましたが、その中での比較で言うと、やはり協同組合関係者は理念や悩みが共通していると感じます。一致できない点があるから全否定、は絶対に避けるべきです。一致できる点を見出すことが役割です。加えて、同質の悩み、異なった具体策、ですから相互に学ぶことが必ずあります。
 当機構は、協同組合連携部と基礎研究部を持っています。この二本立てが最も相応しいと考えています。相乗効果を生むことができます。
 全国で様々な連携が進んでいます。素晴らしいことです。その一方でそれを支えている方々のご苦労も目に浮かびます。頑張ります。頑張りましょう。何卒よろしくお願いいたします。