協同組合はよりよい世界を築きます
2025国際協同組合年
Cooperatives Build a Better World. 2025 International Year of Cooperatives
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    第9回「暮らしを支える医療・福祉」開催報告

“協同”がよりよい世界を築く~連続シンポジウム・座談会
第9回「暮らしを支える医療・福祉」開催報告

 12月13日(土)、IYC2025全国実行委員会は”協同“がよりよい世界を築く~連続シンポジウム・座談会の最終回となる第9回「暮らしを支える医療・福祉」をオンライン開催し、約80名(アカウント)が視聴しました。

 さわやか福祉財団・清水肇子理事長と日本農福連携協会・皆川芳嗣会長理事からの特別報告、3つの協同組合からの事例報告の後、大阪大学大学院の斉藤弥生教授のコーディネートによる登壇者全員のパネルディスカッションで、協同組合の医療・福祉事業の特質、関係者同士の相互性、地域に住む多様な人々のニーズへの配慮や暮らしへの貢献について論議を深めました。

 

≪特別報告≫

助け合いの地域づくりを共に~誰もが自分を生かして幸せに暮らせる社会をつくろう~
公益財団法人 さわやか福祉財団 理事長 清水 肇子氏

 地域共生社会をめざす中間支援組織として、各地で助け合い活動を推進していること、人生100年時代は「多様性」「双方向」「尊厳」がキーワードとなることなどを報告されました。

ノウフクは日本を、世界を救うか?
一般社団法人 日本農福連携協会 会長理事 皆川 芳嗣氏

 農福連携とは、障がい者の農業分野での活躍を通じて社会参加を促す取り組みであること、国の「農福連携等推進ビジョン」では4省庁連携で、取り組み主体と「ユニバーサル農園」を増やすことが掲げられていることなどを報告されました。

 

≪事例報告≫

介護サービスでの社会参加と協同の実践~本人の声から始める社会参加型介護サービスの取り組み~
福井県民生活協同組合 常務執行役員(福祉事業管掌) 蓬莱谷 修久氏

 同生協が運営する認知症対応型通所介護施設「丹南きらめき」の社会参加型介護サービス「BLG丹南」では利用者が、自分で決めたことを、自分の役割としていきいきと活動していることが報告されました。

誰もが健康で居心地よくくらせるまちづくりへ
愛媛医療生活協同組合 愛媛生協病院 副院長 原 穂高氏

 交通不便が地域課題となっていることから、乗り合い送迎サービス「チョイソコ」を地域・企業と共同で運行していること、「誰もが健康で居心地よくくらせるまちづくり」に向けて班や集いの場づくりをしているなどの特徴と課題を報告されました。

 ブランディングが紡ぐ病院協同~足助病院ブランディングプロジェクト~
愛知県厚生農業協同組合連合会 足助病院 病院長 小林 真哉氏

 豊田市北東部の中山間地域のへき地医療拠点病院である足助病院の存在を広く知ってもらうために、農業、文化、防災など様々な分野で地域の多職種・異業種と幅広く連携・協同の取り組みを広げ、魅力的な発信を継続していることなどが報告されました。

 

登壇者によるパネルディスカッション
コーディネーター 大阪大学大学院 人間科学研究科 教授 斉藤 弥生氏

 地域住民である組合員が中心となる日本の医療の協同組合は、世界的でも例のない独自の仕組みとして評価されています。組合員と専門職の協働は、ケアする側・される側という従来の二分法を超え、「元気な人が集う病院」や「集い」は地域住民が主体的に関わる健康づくりの場となっています。多様な地域資源とつながることで、地域住民の理解や地域の活性化に貢献できること、そのための対話やコミュニケーションの重要性などが議論されました。

 また、清水理事長および皆川会長理事からは、「協同組合はよりよい世界を築きます」をテーマとする2025国際協同組合年が終了した後も、協同組合の果たす役割は変わらないとの考えが示されました。これを機にますます農福連携、福祉・介護をはじめ、地域共生をめざして活動する様々な組織・団体との連携を広げていくことへの期待が述べられました。

 シンポジウムの様子は後日、記録動画を公開します。こちらもぜひご覧ください。

 

公益財団法人 さわやか福祉財団
理事長 清水 肇子氏
一般社団法人 日本農福連携協会
会長理事 皆川 芳嗣氏
福井県民生活協同組合 常務執行役員
(福祉事業管掌) 蓬莱谷 修久氏
愛媛医療生活協同組合 愛媛生協病院
副院長 原 穂高氏
愛知県厚生農業協同組合連合会
足助病院 病院長 小林 真哉氏
コーディネーター 大阪大学大学院
人間科学研究科 教授 斉藤 弥生氏
(進行)日本医療福祉生活協同組合連合会
椎野 智子氏
 

 

パネルディスカッションの様子