県段階の協同組合間連携の実態について

協同組合のアイデンティティと協同組合間連携について長野で講演

 2023年6月5日(月)、JCAでは第53回長野県協同組合連絡会通常総会の機会に、「協同組合のアイデンティティと協同組合間連携」をテーマに講演しました。長野県協同組合連絡会に所属する役職員約30名が参加しました。

 総会では、冒頭、長野県協同組合連絡会会長のワーカーズコープながのの鈴木友子代表理事が、コロナ禍の中で中断していた協同組合フェスティバルを4年ぶりに実施し、長野県下で協同組合を知ってもらう活動を展開したことやSDGsに関する職員交流集会を行ったことなど年間活動を振り返り、力を合わせて地域づくりに取り組んでいこうと挨拶しました。事業報告・決算、事業計画・予算などが承認された後、役員が選任され、次期会長に長野県生協連の太田栄一会長が就任しました。

 総会後に開催された講演会で、JCAの比嘉政浩専務から、協同組合間連携を通じた長野の災害ボランティア活動などについて触れながら、「IYC(国際協同組合年)において、多くの方が協同組合間連携の可能性を感じた。協同組合には共通する点がたくさんある。一方、得意分野が異なる。コミュニケーションを丁寧に進め、協同組合間連携で地域課題の解消をともに目指していきたい」と挨拶が述べられました。

 続いて、CI・国際・研究チームの前田健喜部長から、「協同組合のアイデンティティと協同組合間連携」をテーマに講演が行われました。前田部長は、協同組合のアイデンティティに関する世界的協議の背景、アイデンティティを構成する定義・価値・原則について説明するとともに、アイデンティティを手掛かりに協同組合の実践を発展させる機会として、JCAが「これからの協同組合を話し合うワークショップ」の開催を呼びかけていることを紹介しました。また、「信州農業再生復興ボランティアプロジェクト」や「信州まるごと健康チャレンジ」など長野県の事例を含め、地域課題解決に向けた全国の協同組合間連携の事例を紹介し、幸せに生きられる持続可能な地域づくりに向け、組合員・住民の参加、協同組合間やさらに多様な組織や人との連携が重要と述べました。

 長野県協同組合連絡会では8月22日に「これからの協同組合を話し合うワークショップ」を開催します。

JCA比嘉専務による挨拶
JCA前田部長による講演

 

 JCAでは、ICAが展開する「協同組合のアイデンティティ(定義・価値・原則)」に関する世界的な協議が進められる中、各県域組織に「これからの協同組合を話し合うワークショップ」等の実施を提案しています。協同組合のアイデンティティに関する取り組みが、各地で広がることを期待しています。ワークショップや学習会の運営や実施について気軽にご相談ください。