協同組合とは

協同組合の概要

 協同組合は、共通の目的を持った人同士が自発的に集まって作る経済組織です。出資金という形で自分たちで元手を出し合い、組合員となって事業を利用し、組合員として運営にかかわっています。

 このように出資者であると同時に、事業の利用者でもある組合員が、組織の運営にもあたっている協同組合では、組合員の民主的な参画を大切にしています。組織が大きくなった現在では、多くの協同組合で運営の基本方針は総会、あるいは、総代会で決めて、日常的な運営はもっぱら選挙で選ばれた理事などの組合員代表が行なう代議制がとられており、組合員は出資の大小にかかわらず、一人一票の投票権と決定への参加権を持っています。これは、民主性を重視した協同組合ならではの運営方法です。

世界に広がる協同組合

 協同組合は、19世紀にイギリスで始まり世界各地に広がりました。世界の協同組合が集う国際協同組合同盟(ICA)には、109か国から312の協同組合が加盟しており、加盟組織の組合員の総数は約12億人にも及びます。(2018年10月時点)

 ICAは、1937年のパリ大会で、模範的な協同組合の基本原則を「協同組合原則」として定めました。その後1966年の改定を経て、1995年の100周年記念大会(イギリス・マンチェスター)で、協同組合の定義・価値・原則が盛り込まれた「協同組合のアイデンティティに関するICA声明」として採択されました。この原則は、国際機関の指針や勧告、各国の協同組合法に大きな影響を与えています。(原文はこちら)

日本の協同組合の現状

 日本では、協同組合に約6,500万人が組合員として加入しています。業種は農林水産業・購買・金融・共済・就労創出・福祉・医療・旅行・住宅など多岐にわたり、事業高は16兆円にもなります。

 伝統的には、農業協同組合、漁業協同組合、森林組合、生活協同組合が知られてきましたが、中小企業等協同組合法にもとづく中小企業の協同組合、あるいは、金融業の協同組合といった性格を持つ信用金庫、信用組合、労働金庫、さらに最近では、ワーカーズ・コレクティブ、ワーカーズ・コープなどの労働者協同組合も各地で活発に作られるようになり、広い意味での協同組合が存在します。

国際協同組合年について

 国連は以前より経済社会理事会を中心にICAとの連携を図り、協同組合振興に努めてきました。国連専門機関のILO(国際労働機関)やFAO(国連食料農業機関)はとりわけ協同組合と深い関係があります。

 国連が協同組合を重視するのは、協同組合が、女性、若者、高齢者、障害者および先住民族を含むあらゆる人々の経済社会開発への最大限の参加を促し、経済社会開発の主たる要素となりつつあり、貧困の根絶、完全かつ生産的な雇用の創出、社会的統合の強化に貢献すると認識しているからです。

 こうしたことから国連は、協同組合の社会的認知度の向上、協同組合の設立や発展の促進、協同組合の設立や発展につながる政策を定めるよう政府や関係機関に働きかけることを目的として、2012年を「国際協同組合年」としました。

持続可能な開発目標(SDGs)と協同組合

 2015年の9月25~27日、ニューヨーク国連本部において「国連持続可能な開発サミット」が開催され、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。ここでは「誰一人取り残さないこと」が基本理念として掲げられ、人間、地球及び繁栄のための行動計画として、宣言および目標が掲げられました。この目標が、ミレニアム開発目標(MDGs)の後継であり、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」です。この中で協同組合は、SDGsの達成にあたり役割を果たすべき民間セクターの一つとして明記されています。

ユネスコ無形文化遺産への登録

 2016年11月、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)は、ドイツ政府からの提案に基づき、「協同組合において共通の利益を形にするという思想と実践」を「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に登録しました。決定にあたってユネスコは、協同組合を「共通の利益と価値を通じてコミュニティづくりを行うことができる組織であり、雇用の創出や高齢者支援から都市の活性化や再生可能エネルギープロジェクトまで、さまざまな社会的な問題への創意工夫あふれる解決策を編み出している」としています。ユネスコ無形文化遺産への登録は、全世界で展開されている協同組合の思想と実践が、人類の大切な財産であり、これを受け継ぎ発展させていくことが求められていることを、国際社会が評価したものです。