お知らせ

井手英策さんの最新刊『幸福の増税論』で、協同組合やJCAが紹介されています。

 井手英策・慶應義塾大学教授は、『幸福の増税論』(岩波新書、2018年11月刊)で、「僕たちの社会にはさまざまな互助団体が存在する。「共」の領域をささえるこれらの団体、たとえば、JAや生活協同組合、ワーカーズコープ、漁業組合、林業組合などは、組織の壁を乗りこえていま活動の範囲をひろげつつある。日本協同組合連携機構はこれらの団体間連携をすすめるために協定をもって設立された組織」と紹介しています。

 貧困や格差が広がり、安心して子どもを産んだり、老後を暮らすことさえ難しくなっている中、著者は、自己責任に基づく従来の経済成長路線ではなく、「頼りあえる社会」をめざす「再分配革命」を提唱しています。福祉や医療など必要な共通ニーズについて、その財源を皆で負担し合い、ベーシック・サービス(ベーシック・インカムでなく)として提供していくもので、必要な税を負担しつつ誰もがこのサービスを利用できるという「頼りあえる社会」をめざすことが、社会における分断の克服の道でもあると言います。
 加えて、社会的ニーズを満たすには、「官対民」「公対私」という対立の図式で考えるのでなく、地域におけるさまざまな関係者による「公・共・私のベストミックス」を築くことが必要であり、そうした実践は各地で広がりつつあるとしています。「共」の領域における有力な担い手として、冒頭のように協同組合について言及しています。(青竹)