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〈コロナに負けるな!〉「コロナ禍での生活困窮者支援」学習会報告

 日本協同組合連携機構(JCA)では、2月26日、第6回スピンオフ企画[1]「コロナ禍での生活困窮者支援」の学習会を開催し、全国から38名の協同組合関係者が参加しました。

 JCA常務理事の青竹豊は、「コロナ禍で女性や子ども、大学生など社会的弱者をめぐる問題がさらに深刻化しており、先進的事例に学び、協同組合としての地域での取り組みをさらに広げたい」と開会挨拶を述べました。

基調報告では、協同組合ネットいばらきの古山均さん(茨城県生協連副会長)が、「コロナ禍で困窮する一人暮らしの大学生への食糧支援の取組みと課題」について報告しました。協同組合ネットいばらきは、昨年3月の小中高の一斉休校を受け、子どもたちへの食料支援を実施。さらに、5月からはフードバンクや給食センター、地元企業等59団体の協力のもと、前・後期各3回ずつ計6回、のべ2,265人の学生に食の支援を行っています。

 続いて、事例報告として、協同組合ネット北海道の川原敬伸さん(北海道生協連)が「ほっかいどう若者応援プロジェクト」の実施状況について報告しました。同プロジェクトは2021年1月、道生協連、連合北海道、道労働者福祉協議会、大学生協事業連合北海道地区により設立され、JAグループ、漁連、森連、労金、こくみん共済 coop、ワーカーズコープ、コープさっぽろなどが協賛しています。第1回は、北海道大学の独居学生(留学生含む)1,000名に道産米や食品を贈呈しています。第2回は12大学1,850名に贈呈する予定です。

さらに、労働者協同組合連合会(ワーカーズコープ)の牧野斉子さんからは、「コロナ禍でのひとり親世帯を支える活動と課題」とのタイトルで、本部のある東京都豊島区で実施している子ども食堂や地域での関係づくりの取り組みについて報告いただきました。子ども食堂「みんなのふくろう食堂」は毎月第2と第4火曜日に開催していましたが、新型コロナ感染症を受け、昨年2月からはお弁当の配布とフードパンクトリーとして、つながりを継続し、食を支える活動を行っています。

 報告後の質疑において参加者からは、「支援対象者の選び方」や「大学との関係の作り方」等の質問とともに、地域をつくる・思いをつなぐ、「困った」に自分のできることで応えることの実践的な事例を聴き感銘を受けた。「元気がもらえた」、「励ましになった」、「今後取り組みを検討していきたい」などの感想も多数寄せられました。

協同組合連携部 文珠 正也

 

[1] 〈スピンオフ企画とは〉

日本協同組合連携機構(JCA)では毎年、各都道府県の協同組合連携組織に参集いただき、地域課題に対する取り組み事例の学習・交流会議(全国交流会議を)を開催しています。

 今年度は新型コロナ感染拡大を予防するためオンラインでの開催となり、十分な意見交換、交流が出来なかったため、その派生企画(スピンオフ企画)として、9月より毎月、全国交流会議で関心の高かったテーマを1つずつ選び、オンラインによる学習会を開催しています。